月曜日の午後二時過ぎ、図書館から戻った透は、事務所の前に見慣れない靴があることに気づいた。
革靴だった。踵の右側が左より早く磨り減っている。体重の掛け方に癖がある。ソールの継ぎ目が剥がれかけていて、修理の跡が二か所。金を惜しんでいるのではなく、靴を替える必要性を感じていない人間の靴だった。靴紐は几帳面に締められているが、左右の長さが微妙に違う。急いで結んだのではなく、毎回そうなのだろう。
透は靴から目を上げて、ドアの向こうに耳を澄ました。
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