中之島のコンファレンスビルは、大阪湾から吹き上がる十月の風が正面玄関の回転ドアをかすかに揺らす場所にあった。
劉翔平は約束の十五分前に到着した。エントランスの自動ドアをくぐり、受付で名刺を渡しながら、ロビーの鏡張りの壁に映る自分の姿を横目で確認した。紺のジャケット、白いシャツ、ネクタイなし。関雲が「ネクタイはやめておけ、相手に合わせにきたと見られる」と言い、張翼飛が「でも手ぶらで行くのだけはだめ」と言って、ノートとペンを無理やりトートバッグに押し込んだ。翔平は二人の助言を半分ずつ採用した。
受付の女性が「孫様のチームはすでにお越しです」と言った。
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