翌朝、花道は七時四十二分に教室の席についた。
昨日より二分遅い。計算ではなく、住宅街の交差点で信号が長かっただけだ。しかし花道はその差異を記録しておいた。意識してではなく、そういう習慣が体に組み込まれていた。十年かけて、外界の細かな変化を把握する回路が、自分でも気づかないうちに配線されていた。
窓の外、グラウンドに朝日が斜めに差していた。野球部が走り込みをしていた。掛け声が遠く、整然としていた。
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