朝、目が覚めたとき、最初に気づいたのは自分が眠っていたという事実だった。
いつ眠り込んだのかは分からない。布団の中で空の皿のことを考えていた記憶があって、その次に窓の外の光がある。その間に何時間かが消えている。眠りというより、考えることに疲れて意識が落ちた、という感じの眠りだった。夢は、なかった。旗の夢も、海の夢も。あるいは見たけれど、覚えていないだけかもしれない。
起き上がって、台所へ行った。湯を沸かしてコーヒーを淹れた。窓の外に港が見える。嵐の跡を引きずった重い曇り空の下で、船は昨夜と同じ位置に係留されていた。船が、まだいた。それだけで何かがまだ続いているという感覚があった。終わっていない何かが。
Create a free account to unlock all chapters. It only takes a few seconds.
Sign In FreeCreate your own AI-powered novel for free
Get Started Free