煙月を探したのは、蓮夜自身でも意外なことだった。
探すまいと思っていた。煙月の言葉は雨の夜に受け取った傷のようなもので、触れなければそれ以上広がらないと思っていた。報告書を提出した翌朝も、翌々朝も、蓮夜は外縁区の路地を歩くとき自然と北関門から遠ざかる経路を選んだ。意識してではない。足が勝手にそちらへ向かわなかった。
それが変わったのは、五日目の夕方だった。
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