夜の九時を回っていた。
桐島は事務所の電気をつけたまま、封筒を机の引き出しに入れた。読むのは後だ、と思った。光がいる間は読まない。それだけを決めた。
光はすでに段ボール箱の上に紙袋を置いていた。コンビニの袋ではなく、近くのラーメン屋の持ち帰りだった。桐島が歩いて帰る途中、光が路地の角で立ち止まり、「腹減りましたよね」とだけ言って、引き返した。その間、桐島は事務所の前で待った。止める気も起きなかった。
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