翌朝、千草が裏庭に出たのは、行灯の油を補充するための缶を物置に取りに行くためだった。
早朝の霧はまだ薄れておらず、石畳の上に白く積もるようにして漂っていた。千草は息を吐いた。白い吐息が霧の中に溶けて、どこまでが自分の呼気でどこからが霧なのか、すぐに区別がつかなくなった。
物置の引き戸に手をかけようとした、ちょうどその時だった。
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