格子の冷たさが背骨を通じて脊髄まで届いてきた頃、ナウシカは眠っていなかった。
眠れないのではない。眠ろうとしていなかった。目を閉じているとき、彼女は記憶の中の腐海を歩いていた。菌糸の床を踏む感触、靴底から伝わる微細な振動、胞子の湿気が肺の奥まで染みてくる感覚。それらを順番に確認することが、今の彼女にできる最も正確な作業だった。
外の爆発が遠のいていた。
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