路地が開けた先に、錆びた鉄格子の門があった。
螺人は立ち止まらなかった。立ち止まりたくなかったのではなく、足が格子の手前で自然に速度を落とし、傍らの石積みへ寄っていた。訓練された動作の残滓——意志ではなく身体が覚えている。扉は外れていた。正確には、蝶番の一つが錆で崩れて、扉全体が地面に向かって傾いでいた。その隙間を、螺人は横向きになって抜けた。
旧訓練場の敷地に入ったのは、三年ぶりだった。
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