老女が動いたのは、螺人が思っていたより早かった。
一区切りの動作で小枝を火の縁に渡した老女が、そのまま正面を向いた。螺人の方ではなく、炎の向こうの、何もない暗がりの方へ。しかしその姿勢には、これから話すという予兆があった。老女の呼気が変わった。深くでも浅くでもなく、ただ準備のために均された、そういう息だった。
「仲間、という言葉を、学んだのはいつだ」
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