猿ヶ辻に差し掛かったとき、銀時は雨の匂いを嗅いだ。
まだ降っていなかった。しかし石畳の乾き具合と、御所の土塀に沿って流れてくる風の湿り気が、二刻以内に降ると告げていた。こういう勘は戦場で身についたものだった。雨は視界を奪い、足場を変え、刃の握りを狂わせる。戦う人間にとって天候は兵力の一部だった。
銀時が猿ヶ辻に来たのは、偶然だった。
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