全国大会の会場は、体育館というより箱だった。
コンクリートの壁が高く、天井から下がった照明が白く、観客席の段差が整然と並んでいた。どこかの地方大会会場と寸法は変わらないはずだが、空気の密度が違った。廊下を歩く他校の選手たちが持っている何かが、その密度を作っていた。花道はそれを感じながら、廊下の右側を歩いた。視線を正面に固定したまま、両側を同時に見る技術は十年で磨いていた。
ロッカールームに入ると宮城がすでにいて、テーピングを巻きながら足首を回していた。
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