朝の七時十四分、鏑木は講義棟の廊下にある古いテレビの前で立ち止まった。
正確には、立ち止まるつもりはなかった。資料室に向かう途中で、音が聞こえてきた。音というより、単語だった。「行方不明」と「小学生」と「三件目」という単語が、ニュースキャスターの均一な声から分離して、鏑木の耳に刺さった。
テレビには地図が映っていた。神奈川県川崎市の一角が赤いピンで示されており、その近くに「2024年10月4日 午後3時40分ごろ 行方不明」というテロップが流れていた。
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