五日目の朝、清風は楽師の廊下を通らなかった。
楽師棟への道は西回廊を経由するが、清風が選んだのは北の内廊で、その先の書庫棟へつながる渡り廊下だった。昨夜の旋律はまだ体の内側に残っていたが、清風はその残像を意識的に押しつぶすように、足運びを変えた。任務の時間と旋律の時間を同じ体の中に同居させることを、清風は許容しなかった。
許容しないと決めたことで、かえって旋律の残像の輪郭がはっきりした。
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