Chapter 2: The Office Above the Dry Cleaner's

練馬区に着いたのは、午前八時を少し過ぎた頃だった。

電車には乗らなかった。所持金が乏しかったこともあるが、それよりも、この身体で改札を通ることへの算段が、まだ整っていなかった。透は二時間半かけて歩いた。靴の中で、左足の親指の付け根が擦れていた。身体が小さくなったせいで、歩幅が変わっている。自分のものではない脚で、自分のものではない街を歩いていた。

商店街の入り口に、クリーニング店があった。

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Chapter 2: The Office Above the Dry Cleaner's — 硝子の名前 | GenNovel