夜明け前に、鐘が鳴った。
一回、二回、三回。城壁の向こうから鐘の音が流れてくるとき、兵士たちは皆、自分が生きていることの確認作業を始める。毛布の感触。口の中に残る昨夜の水の味。石の床から伝わってくる冷気。あるいは心臓の音。あるいは、そのどれも確かめずに起き上がる者もいる。私は後者だった。目を開けたとき、すでに完全に目覚めていた。夢を見た記憶がない。夢を見ない夜というのは、睡眠が深かったのか浅かったのか、私にはいつも判断できない。ただ意識が途絶えて、また始まる。それだけだ。
起き上がり、装備を確かめた。ガスのシリンダー。ワイヤーの状態。刃の締まり。腰のベルト。手順は三年で体に刻み込まれていて、頭を使わなくても指が動く。その間、隣のヨルクが毛布を引きずりながら起き上がる音がした。向こうの段ベッドでは誰かが咳をした。兵舎の中が少しずつ目覚めていくのを、私は音だけで感じた。
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