夜明けは来た。いつでも来る。どれほど眠れない夜であっても、朝は約束を守る生き物で、私だけを置いていくことをしない。
起き上がったとき、体の節々が冷えていた。野営四日目の朝は霧が深く、隣の天幕の輪郭が白い綿の中に溶けていた。馬たちは霧の中で静かに立っていて、自分の吐く息が白いことを不思議とも思っていない様子だった。私は羨ましいとも思わなかった。ただ、靴紐を結びながら、今日もこの手で結べた、という事実を確認した。それだけだった。
出発の号令は日の出から一時間後に出た。
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