最初の夜は、雨だった。
細い雨で、音というより気配に近かった。窓ガラスの外側を水が伝わる感じがして、僕は閉店後の酒場に一人残り、カウンターの端にノートを開いた。
七人が最後に酒場を使ってから三日が経っていた。まだ船は桟橋の突端に繋がれていた。昼間、一度だけ確認した。動いていなかった。ただ、なんとなく、出航が近いということは身体でわかっていた。
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