
僕はずっと、自分がどこに属しているのか分からなかった。 二十三歳の夏、僕は港町の古びた酒場で働いていた。毎晩、見知らぬ船乗りたちが嵐のように現れ、何かを置いていった。言葉だったり、傷だったり、忘れ去られた歌の断片だったり。 ある夜、一艘の古い船が港に錨を降ろした。船には七人の男女が乗っていた。彼らはどこからともなく現れ、どこかへと消えていく人たちだった。料理人は腕一本で飢えた村を救い、剣士は何も語らずに子どもたちの夢を変えた。地図を描く女は迷子の船乗りに星の読み方を教え、狙撃手の大げさな嘘は一つの町に勇気という名の病を広めた。医者は言葉ではなく手で孤児を癒し、歴史を知る女は砂の中に埋もれた真実を掘り起こした。船大工は壊れたものを直し、音楽家は悲しみの中にいる家族に眠れる夜を贈った。そして船長は——ただ笑っていた。何も持たずに、何も恐れずに。 僕はこの七人と出会うことで、初めて気づいた。自由とは目的地ではなく、誰かと共に波に揺られることだと。僕が探していたのは海賊王の座でも英雄の名声でもなく、ただ、ここではないどこかと、そこへ向かう途中に出会う誰かだったのだと。 やがて船は出ていった。僕は岸に残された。だが何かが、胸の奥の深いところで、静かに碇を上げ始めていた。
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