翌朝、僕は店を開けながら昨夜のことを考えていた。
考えていた、というより、昨夜のことが勝手に戻ってきた。女の声が、漁師たちへの問いが、足音の止まった一瞬の静寂が。考えようとしているわけではないのに、グラスを棚に戻すたびに、椅子を並べるたびに、戻ってきた。
ノートは部屋に置いてきた。今朝は持ってこなかった。一言書いたという事実は、店に持ち込まなくても、ちゃんとそこにあった。
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