螺人が最初に動かしたのは、指ではなかった。
重心だった。
壁に凭れていた背中が、数ミリ、前に傾いた。それだけだった。それだけで、何かが始まった。忍者学校の三年間が、螺人に教えてきたことがあるとすれば、動作の起点は指でも足でもなく、重心の移動だということだった。創介はその技術を評価しなかった。しかし技術は確かに、螺人の体の中にあった。
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