霧が、前に深まっていた。
南の門へ続く道は、螺人が三年間歩いた道だった。朝の訓練へ、審査の会場へ、不合格の後の帰路へ。同じ石畳を、同じ向きに、何度踏んだかわからなかった。しかし霧の中で歩くのは初めてだった。道の形は知っていたが、霧がその形を溶かしていた。知っているということと見えるということが、霧の中では別のことになった。
螺人は歩いた。
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