門の手前に、燈籠が一つ立っていた。
霧の中でも、その一本だけははっきりと見えた。距離が近いからではなかった。燈籠の光が霧を押しのけているのではなく、螺人が霧の内側からその光の核心に近づいたからだった。遠くにあった時は滲みだった。近くに来ると、輪郭を持つ。輪郭を持つと、影もできる。燈籠の柱が、石畳の上に細い影を落としていた。
螺人は燈籠の脇で立ち止まった。
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