山に入ったのは、まだ朝の早い刻だった。
東の空に橙色が残っていた。石畳の道が途切れ、土の道になり、土の道が細くなり、それもやがて草と根と落ち葉の入り混じった獣道に変わった。三人は黙って歩いた。先を行く小波の足音が均一だった。後ろの音羽の足音がほとんどしなかった。凛太郎は二人の間に挟まれた自分の足音だけが少しうるさいように思った。
杉林に差し掛かると、空気が変わった。
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