朝の光が来る前に、蔵の空気が変わった。
凛太郎が目を覚ましたとき、澄江はまだ眠っていた。雨はいつの間にか止んでいて、雨戸の隙間から入ってくるものは湿った静寂だけだった。
体中が痛かった。壁に背中を預けたまま眠ったせいで、肩甲骨の間に鈍い痛みが凝っていた。それでも凛太郎は静かに立ち上がり、澄江の布団の掛かり具合を直した。足先まで丁寧に、隅が床につかないように。
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