暁の町へ着いたのは、昼をとうに過ぎた頃だった。
雪は峠を越えたあたりから霙に変わり、霙がただの雨になったとき、木々の間から瓦屋根が見え始めた。凛太郎はそれを遠くから見つめた。息を吐いた。白い息が雨の中に消えた。
背中の澄江は眠っていた。眠っているのか、ただ疲れ果てて動けなくなっているだけなのか、判断がつかなかった。時折、薄い布越しに温もりが伝わってくるのだけが、凛太郎の頼りだった。
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