衛兵は答えを出せないまま口を開け、それから何かを言いかけて、やめた。青年がまだその顔を真正面から見ていたからだ。逃げない目だった。計算がない目だった。衛兵はその種の目に慣れていなかった。
広場の時計台が、鈍い音で六つ鳴った。
その音を合図のように、市場の人の流れが変わった。誰かが誰かの袖を引き、囁いた。囁きが次の耳へ伝わり、またその次へ伝わった。声にはなっていない。それでも確かに、何かが市場を流れていった。人々が少しずつ、一定の方向へ向かって動き始めた。中央広場の、石畳の開けた場所へ。
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