翌朝というものは、誰にとっても平等に訪れる。
これは一見、公平の証拠のように思われるが、よく考えると単に時間の無差別な進行に過ぎず、公平とはまったく異なる概念である。朝が全員に来るとしても、その朝が全員にとって同じ質量を持つわけではない。たとえば吾輩の今朝は、水換えの小僧が五分遅刻したという事実以外、昨日と区別がつかない。一方、昨夜名前を取り上げられた少女の今朝は、目覚めた瞬間から昨日よりも軽い何かを抱えているはずだ。名前というのは案外、睡眠時にもかなりの重量を持って寝具に寄りかかっているものらしい。
吾輩は水槽の中でゆっくりと一周した。
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