赤壁の炎が揚子江の水面から消えて、一年が過ぎた。
建安十四年(二〇九年)の春、荊州南部の四郡――零陵、桂陽、武陵、長沙――は劉備の手に落ちた。それは目覚ましい軍事的勝利ではなかった。曹操が北に撤退し、荊州の行政機構が真空状態になった後、各郡の太守たちは大樹の陰を求める本能に従って、目の前にいる劉備のもとに転じたに過ぎない。
それでも劉備には、公安という小さな城があった。
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