十一年が経った。
雪は毎年降った。雪が降るたびに、清風は練兵場の白を思い出した。しかし記憶の中の白は、年を追うごとに純化され、もはや具体的な場所の記憶ではなく、ある種の命題のようなものになっていた。白と赤。形と消滅。そして、消えていく過程の中に現れる、消える前には存在しなかった何か。
七歳の子供には名前が与えられなかったその何かを、十八歳になった霍清風はまだ言語化できないでいた。ただ剣を握るたびに、その輪郭が指の内側から押し返してくるのを感じた。剣は言葉よりも正直だった。剣は、彼が何を求めているかを彼自身よりも知っていた。
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