夜明けの二刻前、廃寺の門が叩かれた。
三度。間を置いて、また三度。しかし三度目の後に四度目が来なかった。そのかわりに、重いものが地面に崩れ落ちる音がした。
清風は目覚めていた。眠っていたわけではなく、眠ると眠らないの境界が溶けた場所に横たわっていたのだが、その音を聞いた瞬間に体が先に動いた。頭が音を判断するより前に、足が石畳の上に下りていた。降龍掌の稽古が体に残した何かが、そうさせたのだと、後になって思った。
Create a free account to unlock all chapters. It only takes a few seconds.
Sign In FreeCreate your own AI-powered novel for free
Get Started Free