徐州が、また失われた。
正確に言えば、徐州は劉備にとって「また」失われたのではない。最初から彼のものではなかった、というのが正直なところである。陶謙という老刺史が死に際に「この地を託す」と言った時、劉備は三度辞退した。その辞退が本心からのものであったか、あるいは固辞を経て受け取ることで民心の支持を厚くするという計算があったか——この問いもまた、劉備という男を語るうえで繰り返し浮かぶ問いである。
いずれにせよ、建安元年から数えて間もなく、劉備は徐州を持ち、そして失った。
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