建安十三年十一月、揚子江の水は異様に静かだった。
曹操の艦隊は、赤壁の対岸に錨を下ろしていた。北岸の葦原に沿って無数の船が連なり、その数は、遠目には対岸の山と山を橋でつないだかのように見えた。火の粉が散ることもなく、鬨の声が上がることもなかった。ただ、波に揺れる船体と船体のぶつかる音が、夜ごと川面に低く満ちていた。
——ここで少し立ち止まって考えてみなければならない。
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