建安元年(西暦一九六年)の夏、洛陽は廃墟だった。
かつて百万の民が住んだと伝えられるその都市は、董卓が強制移住と放火によって破壊してから五年が経過していた。宮殿の柱は焦げて傾き、宗廟の屋根は崩れ落ち、雑草が旧い石畳の隙間から膝丈まで伸びていた。民家の跡には狐が巣を作り、曲がりくねった大路を夜に歩けば、瓦礫の向こうで光る目が複数見えた。
この廃墟の中に、漢の皇帝がいた。
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