博望坡の斥候が戻ってきたのは、夜明け前だった。
新野の城内、劉備の執務室に灯りが入っていた。孔明はすでに起きていた。起きていた、というよりも、そもそも眠っていなかったのかもしれない。斥候が膝をついて報告する間、孔明は机の上に広げた地図から目を離さなかった。指先で何かを数えるように、地図の一点を軽く叩いていた。
「夏侯惇の本隊は博望まで進出しています。于禁の補給部隊が後続、李典の部隊が側面を押さえている」
Create a free account to unlock all chapters. It only takes a few seconds.
Sign In FreeCreate your own AI-powered novel for free
Get Started Free