壁の修繕作業というのは、本質的には退屈の結晶化した形態だと私は思っている。
石の継ぎ目を点検し、割れた箇所を塗り直し、錆びたボルトを確認し、また継ぎ目を点検する。腕は動いている。目は動いている。しかし内側では何も起きない。これは私にとって、ある種の安堵だった。点検作業と無感覚は、互いに邪魔をしない。どちらも同じ顔をして並んで立っていられる。
そういう安堵を一週間続けられると思っていた。
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