暁露衆の本部は、山の裾野に建つ古い庄屋屋敷を改築したものだった。
透が門をくぐったのは、昼をすこし過ぎた頃だった。山道を二時間半歩き、街道に出て、そこから乗合馬車に揺られた。背負い荷の重さは行きと変わらないはずだったが、肩への食い込み方が違った。懐の中のものが、重力を持っているような気がした。紙切れ一枚、そんなものに重さなどないとわかっていても。
「おかえり」
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