Chapter 2: Kaname's Report, Toru's Silence

暁露衆の本部は、山の裾野に建つ古い庄屋屋敷を改築したものだった。

透が門をくぐったのは、昼をすこし過ぎた頃だった。山道を二時間半歩き、街道に出て、そこから乗合馬車に揺られた。背負い荷の重さは行きと変わらないはずだったが、肩への食い込み方が違った。懐の中のものが、重力を持っているような気がした。紙切れ一枚、そんなものに重さなどないとわかっていても。

「おかえり」

Sign in to keep reading

Create a free account to unlock all chapters. It only takes a few seconds.

Sign In Free

Like this novel?

Create your own AI-powered novel for free

Get Started Free