春と冬の境目には、境目がない。
草原の春は南の人間が想像するような解放の季節ではなく、単に凍結が解除される季節である。土が泥になり、泥が乾き、乾いた土がまた風に乗って舞う。その過程に劇的なものは何もない。雪が溶けるのを霍清は何度か目撃したが、溶ける瞬間というものは存在しなかった。気がつけば雪は消えており、その代わりに褐色の草が現れていた。
母が死んだのも、そういう朝であった。
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