
古びたノートが、ある雨の夜に青年・柊誠司の足元に落ちてきた。表紙には「消去リスト」とだけ記されており、名前と顔を思い浮かべながら書けば、その人間は72時間以内に跡形もなく「存在を消される」という。死ではなく、消去——記憶から、記録から、世界の因果律から完全に抹消される。誠司は迷わずそれを使い始める。標的は詐欺師、暴力団の幹部、そして腐敗した官僚たち。彼は自らを「イレイザー」と名乗り、SNSに予告を投稿する。 その動きを察知したのは、国家公安委員会の外部顧問として働く奇人・烏丸玲子だ。彼女はコンビニのレシートの裏に推理を書き留め、三日間同じ服を着続け、なぜか常にキャラメルポップコーンを食べている。玲子は独自の「逆算捜査」でイレイザーの行動パターンを解析し始める。 物語は三つの視点が交錯しながら進む——ノートを使う誠司、追う玲子、そして誠司の幼馴染みで彼の正体に薄々気づいている書店員・白石栞。さらに、ノートを落とした「使者」と名乗る存在が時折介入し、独自の思惑で三者を操ろうとする。 伊坂的な軽妙な会話と伏線の網が物語全体を覆い、序盤に何気なく登場した「消えたはずの人物」が終盤で鍵を握る。正義とは誰が定義するのか、消えることと死ぬことはどちらが残酷か——クライマックスの仙台・廃工場での対峙は、読者の予想を根底から覆す。
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